先輩、何も言わなくなっちゃった
いつもなら、すぐバッサリ会話のキャッチボール捨ててくるのに
ちらっと布団の隙間から覗き見る
そしたら、なぜかこちらを見ていた先輩とバチッと視線が重なる
何も言えなくなったのは、私も同じ
だって、先輩の表情が分からない
苦しそうな、言いたいことがあるのに言えないような、そんな、感じ
お互い、なぜか見つめ合う時間が続く
先に口を開いたのは先輩
「…ごめん」
先輩には最近、謝られてばっかりだなあ
やっぱり、もうやめた方がよかったかな
先輩から、視線を逸らす
「…………嫌じゃない」
その声は小さくて、本当に、先輩の口から出た言葉なのかと視線を戻す
先輩も、私を見ていてまたお互い見つめ合う
嫌じゃない
それって、
「あ、の、じゃあ、告白してもいいですか?」
「…なんか、許可するのもおかしくない?」
笑った先輩は、少し赤くなっていて
なんだろう、変な関係だなって、改めて思う
いいんだ、告白自己満足
嫌じゃない
それだけで、十分今は、お腹一杯になっちゃったから