《プログラム10番、学年選手リレー、今年は選りすぐりの選手が集まったみたいです!》

司会者の声に生徒達は盛り上がる


パンッ!!

ピストルの音と共にリレーが始まる

勢いよく選手達が走り出す
なかなかの僅差だなあ

あっという間に私の番がくる

「羽華ちゃんっ、おねがいっ」

「ありがとうっ」


バトンをしっかり受け取って、走り出す
うん、良い調子!

一人、二人と差をつけていく

もうすぐ次の人にバトンを渡せるっ

スピードをあげたとき、


ズキンズキンッ


「……っ!」


痛い


でも、あと少しっ


スピードは緩めずグッと足に力を込める
異変に気づいた、次の男子、確か川瀬くんが
少し前で受け取ってくれる

「羽華!?大丈夫か!」

「うんっ、ゴール、おねがいっ」

バトンを渡して横にはけると、気が抜けたのか
崩れ落ちてしまう


「はぁっ、はぁっ」

うーっ、熱も上がってきたかなあ
視界が急に狭くなってくる

視界が暗い

どうにか、退場するまでは…
視線を上に向けると、クラスの男子が一番乗りでゴールしているのが見えた

よかったあ…

グッと足に力を込めて立ち上がる
なんとか、クラスの席まで戻る