賑わうリレーの選手たち

集合場所はテンションの高い選手達で溢れ返っていた

アドレナリンっていうのは、効果抜群なようで熱はあるのに、周りの雰囲気にほだされてすっかり走る気分は出来上がっていた

「羽華ー、足大丈夫なの?」

私をリレーに推薦してくれた子が、心配して声を掛けてくれる

「大丈夫!本調子だよ!」

「無理すんなよ、抜かされても俺が巻き返すしなっ!」

後ろにいた、男子が声を掛けてくれる

きっと私がいない間に菜留と彩也香ちゃんが皆に説明してくれたんだろう

本当に皆優しいなあ

「絶対勝つから、心配しないでね!」

にこっと、微笑む

そうすれば、周りの子達の顔が赤く染まる

「え?皆も風邪?流行ってるなあ」

うつしてたなら、申し訳ないなあ
考えながら、自分の整列場所まで戻った



「あの、笑顔は、人殺せる」

「ああ、天然なのがまた、な?」

「私達が守らなきゃ」

「「ああ、」」




本人も知らないところで、菜留の仲間が増えていた