菜留の苦笑いを流して、教室の外にでる

授業がもうすぐ始まるので廊下に人は少ない

それでも、夏の廊下はとにかく暑い



この調子じゃ美術室も暑そう

───ガラガラ、ガガッ


「せんぱーい、来ましたー」

「……」

「あ!何食べてるんですか!」

「…アイス」

「ずるいですよ!こんな暑い日に、アイス独り占めは」

今日は窓側は暑いからか先輩は隅の日陰の方にいた


隣にならんで、先輩の顔を見上げてみた



うん、今日も安定のかっこよさ



首もとにうっすらと浮かぶ汗も、先輩のなら断然、美しい

気づかないうちに、あんまり長く見てたようで
先輩がこっちを見た


「そんなに食べたいの」


「え、や、その」

かっこよすぎて見惚れてましたなんて、言えない…しかも汗を見てニヤついてましたなんて…

1人であわあわしていたら

「はい」

「むぐっ!?」

アイスを口にいれられた
ソーダ味の棒つきアイスは一瞬で口の中に溶けていった


「冷たい!何するんですかいきなりっ」

「だって、食べたかったんでしょ」

「そ、そうですけど…!」

いきなりたくさん食べたから、頭キーンってなってるよ!