何度でも君に好きが届くその瞬間まで

腰に回った腕でそのまま、ひょいっと持ち上げられる

ポイっとベットに投げられる

ぎしっと、軋むベット

肩から先輩の体温が伝わってくる

「あ、の先輩」

「うん?」

うん、じゃなくて、

何で一緒に横になってるんですか?

お互い横向きになって、顔がすぐそばにある
先輩の腕は私の背中に回っていて逃げることは許されない

近距離でぶつかる視線に耐えられず、先輩の胸に顔を埋める

「羽華が寝るまで見張ってる」

バレてる、こっそりグラウンドに戻ろうと思ってたのになあ

だとしても!
この状況じゃ寝れるわけないですよ!

ばっと先輩の顔を見上げる

すると、近い距離で目が合う

陶器の様に綺麗な肌、澄んだ静かに揺れる瞳

「これは、もう、襲っていいよと?」

「物騒だね」

ふっ、と鼻で笑う先輩

優しく私の瞼をおろして、腰に手を回してくる

また、近くなる距離

先輩の鼓動が聞こえる

「早く寝なよ」

「寝れると思います?」

それでも、先輩のゆっくりとした鼓動を聞いていたら、だんだん眠くなってくる

うー、もうちょっとこの瞬間を噛み締めたい

なんて、考えていた私は本当に熱が上がってたんだと思う


私も先輩の背中に腕を回してみる

ビクッと、先輩が動いたのがわかった

伝わる鼓動が少し早くなった気がする

「先輩?」

上を見上げる

パチッと目があって

「あんまり、そういうことされると離せなくなる」

ぎゅっと、抱き締めてくれる先輩

夢、かな?
熱があってクラクラする