何度でも君に好きが届くその瞬間まで

◇◇◇

最初は、熱がある私を保健室に連れてきてくれた先輩

休みなよ、とベットに投げられて、そこまではよかった

『………足』

『………』

『どうした』

布団を掛けてくれようとした先輩が、グラウンドに戻ろうとする私を、枕で叩いたとき気づいた事

赤く腫れている足

私も言われるまで気づかなかった

気づいてしまうと、痛くて、変に転んでしまったなあ、と思う


グイッと、でも優しく足を掴まれる
先輩の手は、ひんやりしてて気持ちいい

『何で、こんなに腫れたの』

『えっと…転んでそのまま、走ったからですかね?』

ここで、つい目線をそらしてしまったのが間違いだった

『…誰かに、やられた?』

『…………』

ここですぐに、否定できなかったのも間違い

だって、まさか、いつも何も考えていなさそうな先輩が、そんな些細なことに気づくなんて思わなかったから

それに

先輩に言われた時、月野先輩の顔が浮かんじゃったから

私を睨む視線が、ヒリヒリと残ってるみたいに頭から離れない


でも、まさか先輩の好きな人かも知れない人の名前を言えるわけもなく


だんまりが続いた