何度でも君に好きが届くその瞬間まで

「わあっ!」

またもや先輩に担がれる

バシバシと背中を叩くけど、降ろしてはくれない

「先輩!降ろしてください」

「いいから、黙って」

キッと、先輩に睨まれてしまって、何も言えなくなってしまう

スタスタとグラウンドを横切って校舎に向かう先輩

周りもなんだなんだと、騒ぎ出す


《これはっ、女嫌いの噂もこれまでかー!!》

なんて、司会者の言葉を最後に、グラウンドがざわめくのを聞いて、校舎にはいる

中は涼しいのに、体温はいっこうに下がらない


「…先輩、明日からきっとハーレムですよ」

「猿山の間違いだろ」

あの、女の子を猿に例えるのやめた方がいいかと…

そっと、先輩を見る

どことなく怒って見えるのは、気のせいかな?


バチッと目が合う

「………」

「…すみませーん……」

無言の圧力

これは、もう怒っていらっしゃいますね

そこからは、保健室に着くまで、喋らせてもらえることはなかった