「あっつーい!!」

隣の席に座った菜留はスカートをパタパタさせている


「菜留!男子に見えちゃうよっ」


注意しても止めない上にノートまで取り出して仰ぎ始める

豪快にスカートをバサバサとめくり上げている菜留の腕を押さえて止めさせる


すると、怪訝そうに眉を潜めてこちらに向き直ってつんっと鼻を押された


「…そーゆー羽華もっ!今日珍しくポニーテールじゃん、男子さっきから羽華のこと見てるよ!」


そう言って、今日は高く結ってある私の髪を撫でた


本格的に暑くなってきた8月



教室も蒸し返えるような暑さで、皆コンビニで買ってきたアイスを食べている

制服も夏仕様になったんだけど、そんなの関係ないくらいに暑い


だから、いつもはおろしてくる髪を今日は上にくくってきたんだ


「こっちなんて見てないよ!見てるのは菜留のスカートの中!むさぼられてるって」

「…いや、うん、言い方ね?なんかもう、色々違うと思うよ」



そんな暑苦しい中、期末テストが来週に迫り昼休みでも勉強している子が多かったりする



「羽華は勉強大丈夫なの?なんか、余裕そうに見えるけど?」

「うん!今回はちょっと考えがあってね!」

「え!何それ!聞きたい!」

「ふふん、それはね…」

「…やっぱいいや」


な、なんで!へんな笑いかたしたから?!


「んー、なんとなく、九条先輩が絡んでる気が…」

「そ、そんなことないよ!とりあえず、次国語だから行ってくるね!」

「はーい(やっぱり先輩がらみだったか)」