「……」

「先輩?」


とりあえず、距離を取ろうとしてみるけど、しっかりホールドされていて失敗

大人しく先輩の返事を待つ


「……羽華が、そいつと行くところ、見えたから断った」

「………」

や、いやいやいや

「何してるんですか!?」

普通、好きな人のこと置いてきぼりにします?
これも、私の仮定に過ぎないけど!

反論しようと、体に回っている手をほどこうとしていたら、


「いいから、ほら」

「ちょ、先輩!」


私の返事を待たずに、手を引いて走ってくる

途中、樹先輩と目があって、樹先輩は口パクで


また今度って

この状況、おかしいと思いませんか!

パッと、月野先輩の事が気になって探してみる
視線が絡まった


こちらをじっと見ている


怖い


何も表情に出ていないところが、また