一度足慣らしに、クラス席にパーカーを置きに軽く走る

でも、月野先輩はどうしてこんな…


《それでは、借り物競争、スタート!!》


ボーッと考えていたら

明るい声と共に借り物競争は始まった

スタートラインに戻る

私は月野先輩と同じ最後のレーンにならんでる

先輩は、何事もなかったように隣の子と楽しそうに話している

あれ、やっぱり気のせいだったのかな

私が勝手に転んだだけかもしれない

一瞬思ったけど、たまに月野先輩の視線がこちらに向けられて、

その時の目は、いつもの優しい月野先輩じゃなかった


怖い



ただ、そう思うその視線


思わず目をそらしてしまう


いつの間にか私達の出番


頑張らなきゃ




パンッ





ピストルの合図で走り出す