借り物競争までの間には15分休憩の時間があったはずだから、そんなに急がなくてもきっと大丈夫なはず

先輩が、見えなくなったところでスピードを緩める


さっき少し寝たからか、少し体が軽いこれなら大丈夫そう

落ち着こうと、深呼吸をしていたら

「羽華ちゃん!」

「わあっ!」


フワッと香る甘い香水の香り

驚いている私の前には、月野先輩がいた

「こ、こんにちはっ」

「羽華ちゃん、また会えたね」

いつもはさらさらな髪を今日は少し巻いていて
高い位置でポニーテールにしている

暑いからか、頬はうっすらピンク色に染まっている

かわいいなあ

思わず見惚れていたら


「羽華ちゃん、借り物競争でるの?」

「はい、先輩もですか?」

競技にでる人はそれぞれの競技の色のミサンガみたいなものをつけている

「そうなのー!だから、一緒に行かなあい?」

腕についたミサンガをいじりながら、私の手を取ってくれる

はー、かわいい
惚れちゃうね、こりゃ

月野先輩が動くとふわりと周りの空気がお花の香りになる