呆れた様子で冷たい視線を向けてくる

あれ、でも何で先輩はここに?

私の視線で、私の言いたいことに気づいたのか


「……今日はまだ来てなかったから」

「何がですか?」


ふいっと、後ろを向いてしまう先輩


えっと、もしかして

「出店ですか?」

「…は?」

うちの学校は、体育祭の時に出店が来て色々販売している

先輩、そういうの詳しくなさそうだし、だから私に聞きに来たのかな?

「出店なら、お昼からですよ!一緒にいきま
 しょう?」

「………」

あれ、黙っちゃった

そんなに今、何か食べたかったのかな?


ツンツンと、後ろを向いたままの先輩の背中をつつく

「……寝言で言われたし、いいや」

「なにがですか?」

あ、そういえば


「夢で先輩と初めて会ったときのこと、思い出してました」

「…入学式の時、窓から告白してきた時?」


あー、そうそう

先輩のこと見つけて嬉しくなっちゃって
勢い余って、窓から叫んで告白したんだよなあ


「…違いますよ」

「………」

じっと目を見つめられたので、私も見つめ返す