何度でも君に好きが届くその瞬間まで

それに、先輩が卒業するまでその絵を完成させることはできなかったし、あの日以来会うことすらなかった


「あ、鞄取りに来たんだった」

窓の近くに置いてあったカバンを手に取って
ドアに向かって歩いていってしまう


「そーだ、タオルあげるね」

そのまま、今度こそ帰ってしまった


私の大切な記憶

忘れていた訳じゃないけど、しばらく思い出せなかった記憶の一部

樹先輩ごめんなさい、あの絵、先約があったので、一番に見せれなくなっちゃいました

そういえば、今日はまだ、先輩に会ってないな


会いたい





『…羽華』



大好きな先輩の声が聞こえる



優しく頬を撫でられている気がする



先輩



「…好きです、あの日から」