♡♡♡
あの日
先輩と初めて会った日の夢を見た
タオルを渡してくれて、帰ってしまったと思ってたら、しばらくして戻ってきた湊先輩
外は雨が降っていて、次第に強くなっている気がする
私は絵が濡れていないか確認していた
だから、戻ってきた先輩に気づかなくて
「ねえ」
「ひゃああああ!!」
ベシッ
「いってぇ」
「あ、あ!ごめんなさいっ」
辺りは暗くて、一人だと思ってたから
突然後ろから聞こえた声にビックリして思い切り先輩の頭、殴ったんだよね
パレットで…
「殴っていいかは、人を見てからにしなよ」
「すみません…」
頭をさすりながら、笑っている先輩
この頃は、素直に笑ってたなあ
一人、反省していたら
「…その絵」
「え?」
「君が描いたの?」
先輩の指差した絵
それは、今も完成していなくて、私が描き続けているもの
「あ、はい、まだ完成してないんです」
「へー…」
すっ、と私の横を通りすぎて、絵に近づく
未完成の風景画
本当は、失敗だなあって思ってたもの
それは、先輩の一言で変わった
「……完成したら、一番に見たい」
目を細めて優しそうに笑う先輩
まだ絵の具が乾いていないことに気づいたのか
触れたりは、しなかったけど
そっと近くに手を添える
「だめ?」
振り返った先輩
その瞬間が、一枚の絵のように輝いて見えて
息を飲んでしまう
「…はい」
今、思えば、先輩はどうして絵を見たがってくれたのか、不思議だと思う
あの日
先輩と初めて会った日の夢を見た
タオルを渡してくれて、帰ってしまったと思ってたら、しばらくして戻ってきた湊先輩
外は雨が降っていて、次第に強くなっている気がする
私は絵が濡れていないか確認していた
だから、戻ってきた先輩に気づかなくて
「ねえ」
「ひゃああああ!!」
ベシッ
「いってぇ」
「あ、あ!ごめんなさいっ」
辺りは暗くて、一人だと思ってたから
突然後ろから聞こえた声にビックリして思い切り先輩の頭、殴ったんだよね
パレットで…
「殴っていいかは、人を見てからにしなよ」
「すみません…」
頭をさすりながら、笑っている先輩
この頃は、素直に笑ってたなあ
一人、反省していたら
「…その絵」
「え?」
「君が描いたの?」
先輩の指差した絵
それは、今も完成していなくて、私が描き続けているもの
「あ、はい、まだ完成してないんです」
「へー…」
すっ、と私の横を通りすぎて、絵に近づく
未完成の風景画
本当は、失敗だなあって思ってたもの
それは、先輩の一言で変わった
「……完成したら、一番に見たい」
目を細めて優しそうに笑う先輩
まだ絵の具が乾いていないことに気づいたのか
触れたりは、しなかったけど
そっと近くに手を添える
「だめ?」
振り返った先輩
その瞬間が、一枚の絵のように輝いて見えて
息を飲んでしまう
「…はい」
今、思えば、先輩はどうして絵を見たがってくれたのか、不思議だと思う

