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「…湊、先輩いますか?」


そーっと、ドアを開ける
寝てるかもしれないから


オレンジ色の教室

中を覗けば、窓枠に座って外を眺めている先輩がいた

夕焼けに髪が照らされて、黒髪が光って見える
横顔は光に照らし出されて、眩しそうに目を細めている

一枚の絵のように私の目に写る

その表情は、なんだか、寂しそうに見える


まるで、

誰かを想っているみたいに






胸が締め付けられる





描きたいな




私の絵に、足りない何か



でも、先輩に言ったらきっと許してくれないだろうから、内緒で、私はきっとあの絵を完成させよう


今のうちに目に焼き付けておく

先輩も、どこかに意識があるようでこちらに気づかない


それをいいことにしばらく見惚れてしまう