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先輩の所に着いたとき、先輩はすでに学年を分けている、ホールまで来ていた

勢いよく先輩の背中に飛び付く


「先輩!おはようございます!」

「……ラスボスの登場だね」

私を片手でひっぺがしながら悪態を付いてくる

喋りかけたとき、一瞬表情が曇った気がした

お祭りのことを気にしてるのかもしれない

たけど、そんなことはもう、気にしないで欲しい



どうか、そばにいさせて欲しい


くいっと後ろに体が傾く

緩い雰囲気の顔が私を見下ろしていた

「羽華ちゃん、おはよー、ねぇ夏休みは何してたの?俺、遊びたかったなー」

「先輩、そういうところがチャラいって誤解されるんですよ!」

九条先輩の隣にいた、裕先輩が隣に来て、くっついて話しかけてくる

近いし、暑いよお!

グッと押し返すけど中々に力が強く離れてくれない

「えー、夏休み前に話した時、誤解は解けたんでしょー?」

「夏休みの間に女の子に染まったかもしれないじゃないですか」

「えー、ねえ、今度遊びに誘うから、連絡先交換しよー?」

「裕先輩って、耳ついてますか?」

無理やり私の鞄を開けてスマホを取り出し、連絡先を交換している裕先輩


諦めるしかないなあ

はあ、と溜め息を吐いていたら


「………裕?」


「はーい?」


今まで黙っていた、九条先輩が、なぜかいきなり裕先輩の名前を呼ぶ

それに、返事をした裕先輩は正しいと思うんだけど…

「お前じゃない」


「や、呼んだよね!」


ぎっと、睨み付ける九条先輩に対して裕先輩も負けじと九条先輩の顔に近づく