「ほら、全部食べちゃうよ?」

「た、食べます!」


通りすぎる人達を見ながら仲良くお好み焼きを食べた

美味しいなあ

今日食べすぎたなあ、食べてしかいない様な…
お祭りってなんかもっとなかったっけ?







「先輩!花火、そろそろじゃないですか?」

「あー、ほんとだ、なんか忘れてたね」


8時から一時間打ち続けるという、なかなか豪華な内容で、遠くの人達もわざわざ見に来るぐらい、有名な花火


何で忘れてたかなあ


最後にみたのは確か、幼稚園だったなあ


その頃から、髪の色で周りから言われるようになっちゃって、お祭り会場で誰かに会ったらどうしようって思ったら、来れなくなっちゃったんだよなあ

家のベランダから花火の音だけは聞こえて、ヒロと一緒にかき氷食べたんだっけ


久しぶりに生で見れる!


一人でうきうきして空を見ていたら



「羽華、はい」


ん?


パクッ



「おいひい」


横を向いたらお好み焼きがあって反射で口を開けて食べちゃったけど、最後の一口をくれたんだ




あれ



「い、今、あーんって……!」


「ふっ、今頃?」

肘を付いてこちらを微笑ましそうに見て笑っているけど!


一気に顔が熱を帯びるのがわかる


「先輩、慣れてますね」

「他の人にはしないよ、羽華だけだよ」



余裕そうな笑みに、痛くないパンチを食らわせる




ヒュー…………ドンッ





「「「「わあ!」」」」


「「「すごーー」」」