ガチャリと激しく音を立て、マルスはナイフとフォークを取り上げる。いくらか冷めつつあるポークソテーと付け合わせのパンをガツガツと食べきると、ガタンと勢いよく立ち上がった。

「あんたの覚悟はわかった」

ぐいと口を拭ったナプキンをテーブルに落とし、マルスは挑戦的にエリアスを見下ろす。

「……けれど、あんたがフィアナにふさわしいって、信用できたわけじゃない。俺はまだ、あんたを認めないからな!!」

 そう宣言すると、マルスは肩を怒らせて、くるりと身を翻す。そのまま、「おばさん、ごちそうさま!」という声と共に彼は遠ざかり、ばたんと店の扉が閉ざされた。