「愛ちゃん」
「んー?」
「今まで見たくは行かないかもしれないけど
それでも、たまに撮影現場に行ってもいい?」
「桜が来たいなら、いつでも来るといいわ。
あたしも、それを止める権利なんてないもの」
「ありがとう」
「桜も、モデルになったら大変ね」
「え?」
そうかもしれない。
元々、桜はモデルになりたいと思っている子だ
「あたしは、モデルにはならないよ?
そう言う現場の雰囲気は好きだけど」
そっか
あの雰囲気が好きなら
そう言う職を手にするのもあるのかもしれない
「朝倉社長。桜庭社長夫人」
「何(んだ)?」
「先ほどは失礼いたしました。
角川が、あんなことをしているとは思わず
お嬢様に手を出していたなど」
「あぁ。だが、お前も知らなかったことなのだろう?」
「はい。おそらく、角川独自で動いていたものかと」
「なら、お前を不問にするつもりはない」
「しかしっ」
「不問にするつもりはない。
ただ、少し今後の話を詰めたい
角川の派閥があったことは俺も知っている。
そいつらの事も一掃できる可能性もある」
「分かりました」
「パパ」
「ん?」
「小松君と何で同棲なんて考えたわけ?」



