「世田谷にある高層マンション」
「は?世田谷なの?愛って」
「そう。実家はもう少し遠いんだけどね」
「へぇ」
世田谷だって意外と遠い。
だけど、世田谷にしたのは、桜の通っている高校が
世田谷の方が近いからだ
凛久が車を運転し始めると、隣をどうしても見てしまう
「なんだよ?」
「さっきも思ったんですけど、運転で来たんですね」
「そりゃ、運転できるだろ。免許持ってるんだから
それに、マネがいても、俺はマネにこの家を教えてないからな
仕事も、自分で行っている」
「へぇ、そうなの」
マネにも、家を教えない徹底ぶり。
あたしは、マネージャーに教えちゃってたからなぁ
「愛は、何でモデルをしようと思ったんだよ」
「あたし?
最初は、自分が何をしたいかなんて考えた事も無かったんだよ」
今は、勿論モデルの仕事が楽しい。
だけど、あの時は、自分が何をしたいのかなんて
全く分からなかった
「夕陽ちゃんは、社長秘書の資格を颯君に取らされてやってるし
夕葉ちゃんは、デザイン学校を出て、今は国内で有名なデザイナーをしてる
元々、モデルに関心があったわけではないし、興味があったわけでもない
だけどね。夕葉ちゃんのデザインした服を着るのは嫌いじゃない。
ある日、夕葉ちゃんの作った服を着て出かけた先に来ていたのが」
あの、カメラマンの相原さんだった
「カメラマンの相原さんだった。
"写真を撮らせてくれないか"ってね。その後、相原さんから直接
お父さんの事務所に連絡が入ったって聞いたの」
「へぇ」
名字まで教えていたのか?



