「愛さん、入りまーす」

いつも通りのスタッフに
いつもと同じカメラマン。
だけど

「なんか、いつもよりもソワソワしてない？」

「あぁ。まだ、別の撮影しているのが終わってないんだよ。
しかも、新しくは言ったばっかりの読モ（読者モデル）らしいんだけどさ
全然。表情も、動きも固すぎて、ダメ出しばっかり喰らってる」

あぁ。なるほど
身支度も終わっているし、少しくらい大丈夫だろうか

「相原さん。少し見てきますね」

「おいおい。愛ちゃんが見に行く必要があるのかよ」

「勿論。あたしだって同じ道を歩んできたんですから」

「それもそうだが」

そう言うと、終わっていない、撮影を覗いてみると
いろんなスタッフに言われている、モデルの女の子の姿

「あ、愛さん」

「少し休憩を」

「ですが・・・」

「無理やりやっていても、表情も、動きも付いてくるわけがないでしょう？
少し休んでから、撮影したっていいじゃない。」

そんな話をしていると、読モの子があたしの方に来た

「ですが、これが最終日なんです」

最終日？

「スケジュールの事？読者モデルとして？」

「両方です」