「次は小春ちゃんと政宗くんの番だね」

「えっ?」

「実里、お前っ、しー!」

あっと実里は口元を押さえる。

『小春と政宗はまだ両片想いなんだからっ』
『そうだった、ごめんっ!』

優也と実里がコソコソと話しているのを訝しげに見ていた小春は、政宗に視線を向ける。

「政宗くん結婚するの?」

「え?」
「えっ?!」
「えっ?!」

政宗、優也、実里の声がハモる。

「いや、小春、今の話でどうしてそうなるんだよ」

「そうよ、小春ちゃん」

あたふたする優也と実里は政宗をキッと睨み、その勢いに政宗は一歩後退った。

「政宗、お前のせいだ。お前がなんとかしろ。良い機会だから言っておくが、俺はもう実里しか見えない。実里ラブだ。だから小春のことはお前に託した。わかったな!」

「は?え?なに?」

優也はバンバンと力強く政宗の肩を叩き、政宗は優也の言葉の意味を理解するのに頭を悩ませる。その隙に、実里は小春にそっと耳打ちした。

「小春ちゃんはもっと積極的になっていいと思うな。頑張って政宗くんのこと射止めてね」

「へっ?!」

ぼぼっと頬を染める小春を微笑ましさ半分、呆れ半分見つめつつ、優也はボソッと呟いた。

「はぁー、政宗、お前もだよ」