幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆

「な、何か食べてく?引っ越しのお手伝いしてくれたお礼にご飯でも」

照れ隠しにそそくさとキッチンへ立つと、政宗は驚いた顔をした。

「小春が作るの?」

「あ~、何か疑ってるでしょ?私だって料理くらいできますよーっだ。……パスタでいい?」

自信満々に言ってみたものの、まだ実家との行き来をしているため冷蔵庫にあまり食材はない。唯一作れそうなものがパスタくらいかなと思って提案してみると、政宗は嬉しそうに笑った。

「もちろん。楽しみだな」

その笑顔がどうにも甘く優しくて、小春はますます体温が上がった気がした。

「……そう言われると何かプレッシャー感じる」

小春の言葉に、政宗はクスクスと笑った。
政宗の柔らかな視線を感じながら料理をするのは、何だか新婚さんみたいでくすぐったい。

おにぎりなら得意分野だが、他の料理を誰かに披露するのは家族以外では初めてだ。絶対失敗しない、普段作りなれているトマトパスタに決めた。これならトマト缶とコンソメで味が決まるから失敗は少ないだろう。