「…………?」

優也が連れてきたその彼に、小春は見覚えがあった。見たことがあるような、どこかで会ったことがあるような、そんな既視感を覚え首をかしげる。

「小春ちゃん、だよね?」

名前を呼ばれコクリと頷くと、彼は満足そうに笑い、その優しい眼差しに小春の胸はドキリと脈打った。

「小春、びっくりしただろ?政宗だよ」

「……まさむね……くん?」

「あれ?覚えてない?」

「あー、えっとー……」

「小春ちゃん保育園児だったから、覚えてないかもね。引っ越しするとき小春ちゃん泣いてくれたんだけどなぁ」

そう言われて記憶を辿ると、そういえば保育園の頃に優也と一緒に遊んだような気がするが、何しろ五、六歳頃の出来事のため記憶があやふやだ。

「最近戻ってきたんだ。またよろしくね」

「……うん」

そう言って、政宗はまた小春に笑いかけた。