幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆

「ま、政宗くん今日は学校は?」

「今日は朝から試験で疲れたよ。一応俺も夏休み中なんだけどね」

政宗は背もたれに体を預け足を組んだ。
その姿が妙に大人びていて小春の目にはかっこよく映る。

政宗が来てくれた、その事実が嬉しくてたまらないが、何か話したいのに上手く会話ができない。

「手術は……」

「あ、うん、明後日なの」

「……そっか」

「……頑張れとか言ってよ」

小春の見舞いに来た人は皆口々に“頑張って”と励ましてくれた。だからてっきり政宗も言ってくれるのかと小春は思い、茶化すように言う。

だが政宗は困ったように笑った。

「本当は……」

本当は俺が小春の心臓を治したかった。

喉元まで出かかったのを、直前で飲み込む。
小春は首を傾げた。