幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆

「今の俺があるのは小春のおかげ。すごく感謝してるよ」

政宗くんはおもむろに私の胸に手を伸ばした。反射的にドキリとする。政宗くんのエッチ!なんて一瞬思ったけど、違った。政宗くんの手は私の傷痕を優しくなぞった。

「医師になって治してあげるって約束、守れなくてごめんね」

「っっ!」

全身に鳥肌がたった。
胸の奥から熱いものが込み上げてくる。

「約束、……覚えててくれたの?」

「でも守れなかった」

私は全力で首を横に振った。
絶対忘れたものだと思っていた。自分だけが囚われていた約束事だと思ってた。だからその言葉だけで救われた気持ちになる。

「大好きっ!大好きっ!政宗くん!」

本当に大好きでたまらない。
泣きながらしがみつく私を政宗くんはきつく抱きしめてくれた。
こんなに幸せなことってある?
夢じゃないよね?

「それから、これは小春のために開発した薬なんだけど……」

政宗くんは白いクリームの入ったプラスチックの容器を見せてくれる。

「傷痕を薄くする薬。もしよかったら使ってみて」

「私のため……?」

「俺は小春に傷痕があっても気にしないしむしろ可愛いとしか思えないんだけど、小春は気にしてるんだろ?」

「あ……うん。ありがとう。ありがとう、政宗くん!」