奪って、浬くん




「もうそろそろ離れてっ、」



これ以上は、心臓もたない....から。


一旦落ち着いて、ひとりになって、いろいろ考えたいのに。


──その隙すら与えてくれないのが、浬くんだ



「ねえ、なこ」


「ひぁ.....っ」



つう、と首筋をなぞられて、反射的に上をむく。


トクン、って.....心臓が浮く感覚



熱が絡んで、1秒、2秒──




「煽られるだけじゃつまんねーから。


.....反撃していい?」



答えるまえに、塞がれた。



「.....っ、ん」



触れるだけのキスを繰り返して、ときどき息継ぎのタイミングを与えてくれる。


''反撃'' っていうクセに、触れかたはやさしいなんて、ずるい。


わたしのコクハクに返事しないクセに、キスするなんて、ずるい。



──そんな愛しそうなカオするの、ずるい