捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~

 その瞬間、ぽろり、透明な雫が瞳からこぼれた。
 それがきっかけとなり、涙が絶え間なく溢れ出した。
 ぽろ、ぽろ、ぽろり。真珠のような涙は、あっという間に私の頬を濡らしていく。
「ほ、本当に? 本当にいいんですか……?」
 小さな手で、ぎゅうとヴィクトールの服を掴んだ。
 希うようにジッと彼の瞳を覗き込む。途切れ途切れに、願いのこもった言葉を紡ぐ。
「邪魔だって……いらないって言わないですか? 突然、突き放したりしない? 私、〝悪役令嬢〟なのに。もしかしたら、すごい悪い子かもしれないんですよ?」
 すると、今日会ったばかりのその人は、クスクスくすぐったそうに笑う。
「〝悪役令嬢〟? なんだそりゃ。んなもんは知らねえなあ」
 そして私の体に顔を擦りつけて、どこまでも優しい声でこう言った。