捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~

 でも――短い間だけだったけれど、私はあの人たちの娘だったのだ。養父母のことは今でも大好きだ。だから、礼節を重んじる彼らが教えてくれたことは守りたい。
「あの……。もしかして、あなたがシュバルツ伯爵様ですか?」
 お養母様から教わったのを思い出して、片足をわずかに引き、背筋を伸ばしたまま軽く膝を折る。貴族女性のたしなみ、淑女の礼……これが上手にできたら、第一印象はばっちりだってお養母様が言っていたっけ。
「知らなかったとはいえ、失礼な振る舞いをしてしまいました。申し訳ありません。リリー・フォン・クライゼです。助けていただき、本当にありがとうございます」
 獅子は目をまん丸に見開くと、次の瞬間には豪快に笑いだした。
「ワハハハハハハッ! お前、いいなあ。よほど大事にされていたと見える。それに頭も悪くねえ。見たか、お前たち。おもしれえのが来た!」
 ――おもしろい?