捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~

 ――優しい。
 目を瞑ると、胸の辺りからじわじわと熱が広がっていくのがわかる。
 ――心がぽかぽかしてる……。
 私はヒューゴの服をぎゅうと掴むと、その心地よい感覚に少しの間だけ浸った。
 しかし、すぐに不安に駆られて表情を曇らせる。
 この屋敷の主――それは、いったいどういう人物なのだろう?
「あ、あの!」
「なんスか?」
「向こうに行く前に、ここがどこで、誰の屋敷なのか教えてもらえませんか……?」
 するとヒューゴたちは顔を見合わせ、それからどこか得意げになって言った。
「ここは王国のはずれ、魔の森辺境領にある、ヴィクトール・シュバルツ伯爵様のお宅ッスよ!」



 ヒューゴたちに連れられてやってきたのは、屋敷の中にある応接室だ。
 大丈夫――そんな言葉をかけられてここにやって来たはずの私は、まるで小動物のように震えていた。
「ひええ……」