捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~

 大きく、フサフサした漆黒の尻尾をひゅん、と揺らした彼は、慌てふためく男性陣に冷たい視線を向けると、こちらに向かって歩いてきた。足もとには、彼の色合いとは正反対の、純白の毛を持った狼が付き従っている。
 私の姿を上から下まで不躾に眺めた彼は、どこか不遜な表情で言った。
「見た目と実年齢に差があるのは、おそらく呪いのせいじゃないか。右腕にある薔薇の痣。それが原因だな? 娘」
 耳に心地よく響く低い声。
 どこか聞き覚えのあるその声に内心動揺しつつも、こくりと頷く。
 彼はくるりと背を向けると、顔だけをこちらに向けて言った。
「厄介なことだな。事情を説明してもらう。向こうの部屋で屋敷の主が待っている」
「カイ! この子、目覚めたばかりなのよ。もう少し様子を見た方が……」