捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~

 するとそこに、冷静な声が割って入った。
「お前たち、落ち着け。馬鹿が露呈している」
 現れたのは、まさに太陽が焦がしたような肌を持つ男性だった。
 夜色の髪。彷徨い歩く亡霊の魂のように青く輝く瞳。涼やかな目もとには泣きぼくろ。
 すらりとした長身で、驚くほど長いまつげに、この辺りで見る男性よりもぽってりとした唇は、異国情緒を感じさせる。布をたっぷり使った黒のローブに、魔力の籠もった貴石のアクセサリー。それらは、彼が魔法使いであることをまざまざと物語っていた。
 その人の頭の上にも、ピンと尖った耳が生えている。
 ヴィルハルトよりも大きなその耳も、犬科のものに思えた。そこには、瞳と同じ色の石を使ったイヤリングがぶら下がっている。