おうちかいだん









ドサッ!








ズル……。





ズル……。







今、何時なんだろう。


あれから、気付いたら眠っていたけど……変な物音で目が覚めた。


夢かなと、もう一度寝ようと目を閉じると……。









ズル……。







ズル……。









と、何かを引きずるような音が聞こえて、私は瞼を開いた。


「……何の音?」


私の部屋は居間の横にあって、その横に台所がある。


今の音は台所の方から聞こえてきて……こっちの方に向かってきてる!?


それがわかった途端、ドキンと心臓が大きな音を立てた。


冷たい血液が身体を駆け巡り、眠気が一気に覚めてしまった。


慌てて(ふすま)に近付いて、そっと耳を当てる。







ズル……。






ズル……。







カタカタカタカタカタ……。






台所のガラス戸が開く音!?


嘘でしょ嘘でしょ……私の部屋に向かってる!?


どうして……。


「って、もしかしてこれ!?」


手に握りしめたままの御札の切れ端。


何かが落ちた音も聞こえたし、まさか戸棚の中の何かが私のところに来ようとしてるの!?