「ちち、ち、違うっての! 俺が好きなのはお前だけだし! って、言わせんなバカ」
「ニシシ。わかってるって。ほら、あれだよ。公園の近くの幽霊屋敷。あそこに由奈が行ったら、お漏らししちゃうって話だよ」
洸希の言葉に気を良くしたアリスは、洸希の手に触れて、そっと握り締めて笑った。
「ああ、あの幽霊屋敷な。俺、最近あの家の夢を見るんだよな。気持ち悪ぃったらありゃしねぇ」
「なになに? もしかして洸希もビビりですかぁ? それってどんな夢よ。言ってみ?」
指を絡ませて手を繋いで、ピタリと寄り添って歩く2人は、誰がどう見ても仲の良い恋人同士だった。
「えっと……玄関から入って、ぐねぐね曲がった廊下を歩くんだよ。気味が悪ぃのは、その廊下にいっぱい幽霊がいたことでよ」
「でも夢なんでしょ? 本当にいたら怖いけど」
アリスも洸希も、両親から「あの家に行ってはいけない」と言われて、話には聞いているけど中に入ったことはなかった。
子供の頃は、好奇心で入ろうしたりするものだけど、幽霊屋敷だけは入れないようにバリケードが作られていたのだ。
だから、家の中を知る術などなかった。
「ニシシ。わかってるって。ほら、あれだよ。公園の近くの幽霊屋敷。あそこに由奈が行ったら、お漏らししちゃうって話だよ」
洸希の言葉に気を良くしたアリスは、洸希の手に触れて、そっと握り締めて笑った。
「ああ、あの幽霊屋敷な。俺、最近あの家の夢を見るんだよな。気持ち悪ぃったらありゃしねぇ」
「なになに? もしかして洸希もビビりですかぁ? それってどんな夢よ。言ってみ?」
指を絡ませて手を繋いで、ピタリと寄り添って歩く2人は、誰がどう見ても仲の良い恋人同士だった。
「えっと……玄関から入って、ぐねぐね曲がった廊下を歩くんだよ。気味が悪ぃのは、その廊下にいっぱい幽霊がいたことでよ」
「でも夢なんでしょ? 本当にいたら怖いけど」
アリスも洸希も、両親から「あの家に行ってはいけない」と言われて、話には聞いているけど中に入ったことはなかった。
子供の頃は、好奇心で入ろうしたりするものだけど、幽霊屋敷だけは入れないようにバリケードが作られていたのだ。
だから、家の中を知る術などなかった。



