おうちかいだん

2人がそんな話をしていると、教室の入り口から2人の男子生徒が入って来た。


「悪ぃ、遅くなった。委員会が長引いちゃってさ」


「由奈、お前なんて顔してるんだよ」


アリスと由奈に近付き、首を傾げて顔を覗き込んだ1人の男子生徒。


「おかえり、洸希(こうき)、誠也(せいや)。いやね、由奈がお漏らしするって話してたの」


「ちょ、ちょっとアリス！ それじゃあまるで私がダメな子みたいじゃない！」


こんな、他愛のない話をするのが、この4人組のいつもの光景だった。


人並みに勉強して、人並みに遊んで、そして人並みに恋をする。


特別変わったことはないけれど、楽しい毎日を送っていた。


4人は教室を出て、学校の外でそれぞれ2人ずつに分かれて家に帰る。


偶然家の方向が同じ2人ずつになっていたが、アリスにとっては、好きな洸希と一緒に帰っているこの時間が何よりも楽しいものだった。


「で、由奈が本当にお漏らししそうだったのか？ お漏らしするとこ、見てみたかったな」


「あー、洸希の変態。由奈は可愛いもんね」


アリスが嫉妬混じりにそう言うと、洸希は少し困ったような表情を浮かべて、慌てて反論した。