おうちかいだん

終わった。


ゆっくりと身体を起こして周囲を見渡すと、私を助けてくれた私の身体。


それが、役目を果たしたかのように、床の上でボロボロに砕け散っていた。


「死んだ後も辛かったね。でも、もう安心して眠れるよ」


学校で聞いた、この家にまつわる話。


その中でも、廊下の鏡の話は、どうしても生きている時の記憶と食い違っていて、よくわからなかったけれど。


あれは、私が死んだ後、自分が死んでいると気付かずに見ていた、この家の不気味さを表したものだったのかなと思う。


三面鏡の深夜の儀式で、お漏らしをしてしまった私は、お風呂に入らなければという想いがあった。


だけど私が死ぬことになった鏡が怖くて、そんな世界を生み出してしまったのだろう。


階段を下りたところにあった「お父さんのバット」。


私が殺された時、使われたものだ。


「つまり、あの話はおじいちゃんがお父さんだというのを暗示していたというの?」


奇妙な一致に、私の身体は震えた。


私に怪談を話してくれた6人のクラスメイト。


その人達は、私をこの家に導く為に、私にこの家で何があったのかを教えてくれたんだね。