おうちかいだん

私が知っているよりも随分若い頃のお母さんとはいえ、親のこういうセリフを聞くのは気持ち悪い。


「そ、そうだね。ごめん。わかったよ。化粧が終わるまで待ってるよ。でも、終わったらすぐにその服を脱がすからね。本当ならすぐにでも、めちゃくちゃに抱きたいと思っているんだから」


この男性も負けず劣らず気持ちが悪い。


そんなことを口に出して言うとか、頭がおかしいのだろうか。


でも、この人はさっき、お母さんを「嫁」と言っていた。


つまり……この気持ち悪い人が私のお父さん?


「もう。だったらどうする? 綺麗になるまで待つ? それとも今すぐ私を脱がせる?」


呆れた様子で振り返ったお母さんの服を、何も言わずに引き裂いたお父さんと思わしき人物。


お母さんも慣れっこなのか、顔色ひとつ変えずに。


「ミサちゃん、ミサちゃん……ああっ! 美味しいよミサちゃん」


そしてベロンベロンとお母さんの頬を舐めて、満面の笑みを浮かべていた。


……見るに堪えない。


あまりの気持ち悪さに背を向けた。


「もう。また破って。新しい服、買ってよね」


「わかってるよミサちゃん。ミサちゃんに合う服を探してくるから」


私がここにいることなんて知りもせずに、2人は昼間だというのに性行為を始めた。