おうちかいだん

「酷い。ここに死体があるということは……お母さんもこれを知っていた?」


もちろん、お父さんとお母さんが結婚してからは、こんなことはしなくなったと考えたら、お母さんは何も知らない可能性はあるかもしれないけれど。


どうも、鏡の中のお母さん……ミサが私を騙そうとしていたことを考えると、お母さんも知っていたんじゃないかと思ってしまうよ。


「1階を通れば外から見られてしまう可能性があるし、天井裏に隠しておいて、お母さんの部屋の押し入れからお風呂場に運べば、誰にも見られないか」


民宿をやっていたならなおさら、雨戸を締め切るなんてことも出来なかっただろうし、少し手間がかかってもこのルートなら安全と言える。


となると……残りの袋の中身も、全部死体と考えた方がいい。


この状況に、ゾクリと背筋に悪寒が走った。


幽霊でも恐怖を感じることがあるんだなと思いながら、袋の中身がわかったからお母さんの部屋に向かおうと、暗い天井裏を這って進んだ。


天井の板が少しズレていて光が見える。


そこがお母さんの部屋だと、ホッとひと安心した時だった。








ゴトッ。









と、背後で何かが倒れるような音が聞こえたのだ。