これはとある家で起こった話。
その家に住んでいた私は、自分の部屋がある2階に上がる階段が怖くてたまらなかった。
「ただいまー」
学校から帰り、家に入った私は目の前にある階段を見上げた。
家自体が古いから、この色褪せた木の階段が不気味に見えるのかもしれない。
そう考えながら、私は部屋に戻る為に階段を踏み締める。
途端に感じる不気味な気配。
足の裏から、身体を伝って首の後ろまで撫でられるような、そんな気持ち悪い感覚があるのだ。
そして、誰に言われたわけでもないのにひとつ、私はやってはならないと感じている行動があった。
それは……。
「あら、帰ってたの? ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど台所に来てくれない?」
階段を上がっている最中で、お母さんの声が聞こえたけど、私はその声を無視して駆け上がった。
部屋に入ってバッグを置いて、ベッドにうつ伏せに寝転んでため息をついた。
「……この時間にお母さんなんて家にいないのに」
ボソッとそう呟いて、顔を枕に埋めた。
誰の声なのかは知らない。
知らないけどあの声は、何とかして私を階段で振り返らせようとしてくるのだ。
やってはならないこと……それは、階段で振り返ることだ。
その家に住んでいた私は、自分の部屋がある2階に上がる階段が怖くてたまらなかった。
「ただいまー」
学校から帰り、家に入った私は目の前にある階段を見上げた。
家自体が古いから、この色褪せた木の階段が不気味に見えるのかもしれない。
そう考えながら、私は部屋に戻る為に階段を踏み締める。
途端に感じる不気味な気配。
足の裏から、身体を伝って首の後ろまで撫でられるような、そんな気持ち悪い感覚があるのだ。
そして、誰に言われたわけでもないのにひとつ、私はやってはならないと感じている行動があった。
それは……。
「あら、帰ってたの? ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど台所に来てくれない?」
階段を上がっている最中で、お母さんの声が聞こえたけど、私はその声を無視して駆け上がった。
部屋に入ってバッグを置いて、ベッドにうつ伏せに寝転んでため息をついた。
「……この時間にお母さんなんて家にいないのに」
ボソッとそう呟いて、顔を枕に埋めた。
誰の声なのかは知らない。
知らないけどあの声は、何とかして私を階段で振り返らせようとしてくるのだ。
やってはならないこと……それは、階段で振り返ることだ。



