なんというか、自分の思った通りに生きてるって印象がある人だな。


思ったことをすぐに口に出すから、パンツが見えてるとか、面白いから話をしようとか言えるんだろうな。


……私、そんなにえぐいパンツ穿いてたかな。


そう思いつつも、北島くんの隣に座ってチラリとその横顔を見た。


「それで、話って何の話?」


「は? 何でもいいよ、暇潰しが出来たら。なんか面白い話ない?」


話があるから座れと言ったわけじゃなくて、話をしろってことなのね。


そんな性格だってわかっていたけど、なんだか釈然としないな。


「私はないよ。逆に聞くけど、北島くんはなにか面白い話を知らないの?」


突然話を振られる苦しみを味わうといいよ。


なんて、少し意地悪になってみたけど……。


「それがあるんだよなぁ。面白いってか、怖いってか……やっぱ怖い話?」


あるなら最初から話をしてよ。


意地悪で話を振ったつもりが、良いパスを送っちゃったじゃない。


「じゃあ私に聞かないでその話をしてよ。どうして私に聞いたのよ」


「別に話してもいいんだけどよ。どうせなら藤井の話を聞きたいだろ? あんまり話をしたことねぇんだからよ」