おうちかいだん

な、何あれ……細くて骨と皮みたいな。


そして、その何かの姿が徐々にあらわになる。







「ひっ!」







月明かりに照らされたそれは、まるでミイラのような人間の姿。


左目が閉じているけど、右目だけはギョロギョロと辺りを見回していて。


そして、私の今の悲鳴に気付いたのか、その目がこちらを向いたのだ。


カクカクと、コマ送りのように不自然な動きで床を這って私に迫る。


ヤバい……ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!


逃げなきゃ……逃げなきゃ!


慌てて襖から離れ、廊下の方に四つん這いで向かった私は障子に手を掛けた。


そして、急いで開けて廊下に出ると……ミイラのようなそれも、居間が廊下に出たのか、私を見て枯れた顔でニタリと笑ったのだ。