愛する人の笑顔を守るために (番外編)

「続きまして、卒業生答辞。
代表 3年1組 白谷 嶺亜」

「はい」


在校生送辞や、卒業生答辞などは大体成績トップで首席の人が選ばれる。


嶺亜くん凄いなぁ。

出会ったばかりの頃はサボりが多くて、校長直々に電話が来るぐらいやばかったのに。


あの頃がもう懐かしく思える。


「これで、卒業生答辞とさせていただく前に…」


あれ?

このまま終わるかと思えば、嶺亜くんは読み上げていた紙をその場に置き、なぜか私の方に視線を向ける。


「由乃」


嶺亜くんが私の名前を呼んだ瞬間、会場は皆私の方に視線が集まり、ざわめき出す。


ちょっと…大事な卒業式の時に私の名前を呼ぶなんて嶺亜くん…。恥ずかしいんですけど!