『もしもし。由乃?』
「あ、嶺亜くん!急で悪いんだけど、お父さんが今度お店で出す新作の料理を作ってみたから、是非嶺亜くんの感想も聞きたいって言ってるんだけど…。
今時間空いてるかな?」
あながちこれは嘘じゃない。
今度お父さんのお店で、期間限定の魚料理が出るらしいから今日はちゃんとその試作品も作ってもらっている。
『分かった。5分くらいで着く』
はやっ!
「ありがとう!」
電話が切れて、皆がワクワクしている中。
家の前で爆音のエンジン音を響かせていたバイクが止まる音がした。
ーピーンポーン。
嶺亜くんだ!
ガチャッ。


