【 side 由乃 】
ピヨピヨッ。ピヨッ。
「…ん…」
嶺亜くんと初めて一緒に夜を過ごして、カーテンの隙間から出てくる陽の光と、聞こえてくる鳥の鳴き声でもう朝なのだと感じる。
「スゥー………スゥー……」
私の隣ではまだ目を覚めない嶺亜くん。
嶺亜くんの寝顔…こんなに近くで見たの初めて。
『由乃…呼び捨てで呼んで』
うわあああー!
唐突に昨日の夜の出来事を思い出してしまい、1人で勝手に顔を赤くさせてしまう。
嶺亜くんったら本当に襲わなかったとは言え、あんなキスをされたら……もう!
恥ずかしくて手で顔を隠したいのに、嶺亜くんに抱き枕のように抱きしめられているこの状況では、手が動かせない…。
お願いします…まだ起きないで。
この恥ずかしい顔を見な…「なんで顔真っ赤なんだ?」