そっか…私気付いたよ。
嶺亜くんが喧嘩で強かったり、人一倍仲間思いなのは暴走族の総長というのも、もちろんある。
だけどそれが1番の理由ではない。
こんなに強いからこそ、1人で怯えてるんだ。
嶺亜くんも…1人で沢山の悲しみや不安を抱えていたんだね…。
「本当はもっと前に言うべきか悩んだ。けど、こんなに……ダサい俺を見て…っ…由乃が離れていくんじゃないかって思った。
由乃と付き合えて凄く嬉しい。
嬉しい反面に不安が襲ってくる。
俺の誕生日を迎えたら、きっと由乃は1番に祝ってくれるだろう。
だけど、何かの原因で嫌われるんじゃないか、次は俺のせいでまた傷つけてしまうんじゃないかって……怖くて言えなかった…」


