愛する人の笑顔を守るために (番外編)






「会社が倒産した日。6月20日。

その日は……俺の誕生日だった」






次々に明かされる嶺亜くんの過去。

驚きのあまり、言葉が全く出てこなかった。


「会社が倒産して、俺らは一気に人生が堕落した。

翌年の俺の誕生日の時に、親父が病気で亡くなって、親父が亡くなって夜に……っ……親父の後を追うように母さんが…他界した」


嶺亜くんの目には今にでも零れそうなくらいに涙が溢れる。


「なんでだと思った。
なんで俺の誕生日に限って…こんなにも不幸が起きるんだと。

……っ…俺は……俺自身を呪った…。
俺なんて…死んでしまえばいいと思った……っ」



涙の決壊が壊れて、大粒の涙が嶺亜くんの頬を伝う。


「俺も死のうとしたけど……っ…姉貴が……姉貴が俺を1発ぶん殴って、泣きながら怒ったんだ」