愛する人の笑顔を守るために (番外編)


「本当だったら、あの白い塔の所で話したかったんだけど。今日は俺バイク持ってきてないから、歩きじゃ遠いしな。

さっき、暁斗さんからのプレゼントを受け取らなかっただろ。俺」

「うん…」


「暁斗さんだからとか、そういうんじゃないんだ。
俺はある事をきっかけに誰からもプレゼントを受け取らないし、誕生日すら祝われても嬉しくないふりをしてた」


嬉しくない"ふり"…。



「俺と姉貴には、親が居ない」



「え…」

「5年前、俺が11歳で姉貴が15歳の時。
親父と母さんが2人で経営していた会社が倒産した。

SIRONO's(シロノズ)コーポレーションっていう会社知ってるか?」