愛する人の笑顔を守るために (番外編)

私の姿に嶺亜くんは手を強く握りしめる。


「嶺亜くん……っ……ギューってして?夢じゃないって……もう一度確かめさせて?」


これは熱が出てるからよ。普段の私ならこんな甘えたような言葉を滅多に言わない。

でも、恥ずかしさよりも大好きな人の温もりを感じたい。


熱のせいで重くなってる上半身をゆっくりと起き上がらせる。

嶺亜くんは何も言わないままだけど、私を優しく大きな身体で包み込む。


「由乃が安心するまで傍に居るから」


耳元で優しく声をかける嶺亜くん。

私自身なんでこんなに涙が出るのか分からない。
分からないけど、涙が止まらかった。


そしていつの間にか涙も収まり、また夢の中へと眠っていく。