「起きたか」
「ふぇ?」
私しかいないはずの部屋で私以外の声がする。
「あれ、嶺亜くん?なんで…私の部屋に…」
「朝、奴らが捕まったニュースを見てただろ。そしたら突然倒れたみたいで、さっき由乃のお父さんから聞いたら39度の熱があったって聞いたから来た」
「そ、そうなんだ…。だとしたら嶺亜くん……朝から嶺亜くんの電話が来たのも、亮龍会が捕まったのも……夢…じゃないよね?」
私の質問に優しく微笑みながら、静かに頷く嶺亜くん。
やっと……復讐は終わった…。
もう…亮龍会と関わる事も無くなったんだ…。
夢じゃなく、現実だったと分かった瞬間にいきなり大粒の涙が流れてくる。


