「ホントですか?」



「当たり前じゃん、本当に好きだよ」




まだ頭を抱えている彼に呆れながらも急に顔をあげられ、目が合って驚く。



あの大きな二重まぶたが潤んでいるのだ。



もうすぐ涙が零れ落ちるぐらいに。




駆け寄ってジャケットからハンカチを取り出すと容赦なく擦りつけられた。




怒りたくもなったが、私も彼を面白がっていつまでも先延ばしにしていたから何も言えない。






涙が止まらない彼を介抱しながら廊下を歩いていれば、その様子を察した周りが彼に祝福の言葉を送った。





学校でも有名だった彼の片思いはやっと終わったのである。